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グラファイト層間化合物YbC6の超伝導

 グラファイトはグラフェン(単層炭素原子シート)が積層した層状物質で、その層間には様々な原子・分子を挿入することができます。グラファイト層間物質(GIC)はこのように合成される物質群の総称で、層間物質の種類と配置をパラメータとして電気伝導、磁性といった物性を幅広く制御することができます。

ybc6.png

グラファイト層間化合物YbC6の構造。グラフェン層の間にYb原子が周期的に配列しています。

 2005年に英国のグループによりCa原子とYb原子を層間物質とするGIC、CaC6とYbC6で各々Tc = 11.5 K、6.5 Kでの超伝導転移が発見されました。これらの転移温度は概ね1 K以下でしか超伝導が見つかっていなかったGICとしては高温で、その超伝導発現機構に注目が集まっています。

 我々は気相輸送法によりYbC6を合成し、帯磁率測定と磁気抵抗測定からその上部臨界磁場(Bc2)の磁場方向依存性を初めて決定しました[1]。

xrd.png  hc2.png

合成したYbC6試料のX線回折パターン(左)と上部臨界磁場の磁場方向依存性(右)。

 上右図に示したBc2の測定結果ではθ= 90°にカスプ構造が現れていますが、これはBc2の磁場方向依存性がTinkhamモデルでよく記述されることを示しています。この振る舞いはコヒーレンス長と層間距離の関係から期待される有効質量モデル的な振る舞いとは異なるもので、YbC6が試料中でバルク状ではなくフレーク状に合成されていることを強く示唆しています。

 今後、YbC6の極低温下での STS観測により、その超伝導発現機構にさらに迫りたいと考えています。

[1] N.F.Kawai and Hiroshi Fukuyama, Physica C 468, 2403 (2008).

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